初見の練習
最近レッスンをしていて気になっているのは、注意を払うことの難しさです。
楽器の演奏をする時は同時に三つも四つも注意を払わなければならないのですが、例えば新しい曲の譜読みをする時、当然知らない曲を初めて弾くわけですから、音符に対するかなりの注意力が必要です。集中力とも言えます。
ところがイマドキのお子さまたち、その『注意を払う』ことがとってもとっても苦手です😖
知らない曲なのに指が勝手に動くままに弾いてしまって間違いだらけになり、メロディが成立しないので新しいフレーズを覚えていかれない。ものすごい悪循環😭
音が『レ→ファ→レ』という並びだったとして、最初のレと2度目のレは同じ音のはずが、なぜか根拠なく『レ→ファ→ド』と弾いてしまう。
これはレの音が分からないのではなく、次の音がレだと認識する前にドを弾いていて、全く注意を払っていない状態です。
導入期の子どもには、新曲の譜読みの時や練習があまりできていない曲の時には、楽譜に指差しして目を誘導してあげるのですが、これはかなり効果があります!
まるでカラオケのガイドのようです(笑)
レッスンを始めて2年も3年も経っている子は、ガイド無しでも譜読みがスムーズにいくようになってもらいたいのですが…💧
過去にも譜読みの苦手な生徒にはレッスンのメニューに組んでいた『初見の練習』。
今日のレッスンでは、大手グループレッスン出身の3年生に初見の練習をさせてみました。グループレッスン出身のお子さんはノリ(笑)で弾く癖が付いているので、確認不足が招くミスが増えがちです。
まずはハ長調片手2小節ずつで合わせて4小節の曲。黙読してから弾き始めます。
1回目、音はあっていましたがリズムが不完全。4拍子をカウントしてから弾き始めるようにアドバイスして、2回目に挑戦!リズムは修正されましたが、気を取られたのか違う音を弾いてしまいました😓惜しい。次ラストだよ!と声をかけて集中させます。3回目で完成。
他にもト長調の曲や両手の曲や何曲かトライしました。どれも3回か4回はかかりましたが、ゲームでライフがなくなるような緊張感があって、良い練習になりました。
この間、体操の内村航平選手のお母様がテレビで「1回で決める!という集中力が練習の時も必要」というお話をされていました。なるほど、さすがメダリストを育てた母、説得力あります✨
一発で決めよう!という集中力は、イマドキのお子さまたちに一番足りていないところかも知れません。イマドキというのはなぜかというと、注意が散漫になりやすいお子さんが、10年前と比べたら今とっても多いと感じるからです。
世の中がそうさせているのもあると思います。この難しい世の中を逞しく生きていけるように、色々なことを教えてあげないといけないな、とひとりの大人として責任を感じている今日このごろです。